レクサスの盗難手口は年々巧妙化しており、従来の防犯対策だけでは完全に守り抜くことはできない状況です。レクサスを保有する有名人も複数名、盗難の被害を受けていることもネット上では多数報告されています。

本記事では、20,000台以上の車両に盗難対策を施してきたカーセキュリティ専門店のオーナーが、最新の窃盗手口や具体的な対策事例、そして2025年の最新情報をもとに、わかりやすく解説します。

大切なレクサスを守るために必要な情報が満載ですので、ぜひ最後までご一読ください。

なお、当店ではレクサス専用のセキュリティ施工や、盗難対策の相談も行なっております。お気軽に奈良本店、あるいは東京支店へお問い合わせください。

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レクサスは盗難ランキング上位

メーカー 車名(通称名) 令和6年上半期 盗難台数 令和5年上半期 盗難台数
トヨタ ランドクルーザー 590 256
トヨタ アルファード 303 358
トヨタ プリウス 287 260
トヨタ レクサスLX 112 152
トヨタ レクサスRX 80 34
トヨタ ハイエース 60 77
ダイハツ ハイゼット 55 54
トヨタ クラウン 44 50
トヨタ レクサスLS 44 41
スズキ キャリイ 44 52

令和6年の盗難台数はレクセスLS、RX、LSを合計すると471件となり、かなりの数が盗まれていることがわかります。

警視庁が発表した、令和6年の統計によると、レクサスの主要モデル(LS,LX,RX)を合わせた盗難件数は合計で471件にも上っています。

これだけの数字になる背景には、レクサスが持つ高いブランド価値や洗練されたデザイン、そして高性能な技術が、高価格で取引されるため窃盗団にとっても非常に魅力的なターゲットとなっているという実情があります。

レクセスを盗難されてしまった人の声

手口も日々巧妙化しており、純正セキュリティや一般的な対策だけでは盗難を防げないのが実情です。

オーナーの皆さんには、今一度ご自身の防犯対策を見直し、最新の盗難手口に対抗するための追加対策を検討することが求められています。

レクサスの盗難方法

では、実際にレクサスはどのような手口で盗難されるのか、2025年現在で多発している盗難方法を解説していきます。

CANインベーダー

CANインベーダーとは、車のドアロックやエンジン始動などを制御する「CAN(Controller Area Network)バス」と呼ばれる通信システムを悪用した、新しい盗難の手口です。

車に搭載されている多くの電子機器は、このCANバスを介して情報をやり取りしており、非常に便利で効率的な仕組みとなっています。しかし、残念ながらこの通信にはセキュリティ上の抜け穴があり、そこを狙ってくるのが窃盗団です。

彼らは専用のツールを使って車体の内部にアクセスし、CANバスに偽の信号を送り込むことで、正規のスマートキーがなくてもドアを開け、エンジンをかけることが可能になります。つまり、鍵を使わずとも車を完全にコントロールできてしまうというわけです。

しかもこの手口は、車体の一部にわずかに触れるだけで完結することも多く、犯行にかかる時間はわずか数分というケースも報告されています。これまでのように窓を割る、鍵穴をこじ開けるといった荒っぽい手口とは異なり、外観上の痕跡が残らない点も大きな特徴です。

こうした状況に対して、自動車メーカーもシステムのアップデートや新たなセキュリティ対策の開発など、対応を進めていますが、残念ながらイタチごっこになっているのが現状です。

特に人気車種のレクサスは盗難リスクが高いため、受け身ではなく、能動的な防犯意識が欠かせません。

リレーアタック

リレーアタックとは、専用の装置を用いて車のスマートキーから発せられる微弱な電波を、通常よりも強力に増幅し、その信号を車両へ中継することで、車があたかも正規のキーが近くに存在しているかのように誤認する現象を悪用する手口です。

本来、スマートキーは一定の範囲内でのみ電波を発信するため、キーが車に近くなければ車両が認識しない仕組みになっています。

しかし、窃盗団はこの仕組みの弱点を突き、家の玄関や車内に置かれたキーから微弱な信号を拾い、それを増幅して車へ送信します。

その結果、車は正規のキーが近くにあると錯覚し、ドアの解錠やエンジン始動を許してしまうので、盗難被害に繋がります。

リレーアタックは次のような状況下で狙われやすい傾向にあります。

まず、自宅玄関付近にスマートキーを常に置いている場合、キーが車両の近くにある状態となり、信号を拾われるリスクが高まります。

次に、駐車場が道路に面していると、外部からのアクセスが容易になり、犯人が近づきやすい環境となります。

リレーアタックの対処法をお伝えいたします。

まず有効なのは、電波を遮断する専用のキーケースを使うことです。

電波を遮断するケースを入れておくだけで、電波が外に漏れにくくなります。さらに、キーを玄関近くに置かず、家の奥の部屋など、車から離れた場所に保管することも効果的です。

また、キーを車の近く、特に玄関付近ではなく、別室や安全性の高い場所に置くことです。窃盗団は玄関近くにキーがなければ電波を拾うことが難しくなるからです。

ゲームボーイ

「ゲームボーイ」と呼ばれる機器は、見た目こそ小型で無害に見えますが、実は非常に危険なキーエミュレーターです。

この装置は、正規のスマートキーが発する信号を不正にコピーし、それを使って車を解錠したりエンジンをかけたりすることが可能になります。

つまり、本物のキーが手元になくても、まるで正規のキーを使っているかのように車を操作できてしまうのです。

この手法の特徴は、リレーアタックやCANインベーダーのように信号を中継・偽造するのではなく、スマートキー自体の情報を完全に再現した合鍵を作るような手口です。

信号が複製されると車両側から見ても本物と見分けがつかないため、セキュリティをすり抜けてしまいます。

本来、スマートキーの情報はディーラーや正規サービス網以外では取得できない仕組みになっていますが、犯罪グループは専用のツールと技術を駆使して、車両から発せられる微弱な電波を傍受・解析し、電子的に複製してしまいます。

近年ではインターネット上でこうした装置が海外から簡単に入手できるようになっており、その危険性は年々高まっています。

レクサスの純正セキュリティG‑Securityとは

盗難を防ぐためにレクサスは純正セキュリティG‑Securityがついています。

G‑Securityは車両の盗難防止や不審な侵入に対する多層的な対策を実現しています。

車が始動した瞬間を検知し、オーナーにメールやMy LEXUSアプリのプッシュ通知で知らせる機能や、ドアのこじ開けや車内への侵入があった際に自動でアラームを作動させる仕組みが組み込まれています。

さらに、オーナーの要請に応じて盗難車の位置追跡や警備員の派遣が可能なほか、リモートイモビライザーの設定によってエンジンの再始動とステアリングロックの解除を制限できるため、車両の安全性が一層高まります。

また、携帯電話からハザードランプを点滅させるカーファインダーや、ドアロック、ウインドウの閉め忘れを検知するうっかり通知、さらにはリモートで車両の状態を確認・操作できる機能も搭載されており、万が一のトラブル発生時にも迅速に対応できる体制が整えられています。

全体として、G‑Securityはオーナーがいつでも車の状況を把握し、安心してカーライフを楽しむための包括的なセキュリティシステムと言えるでしょう。

純正セキュリティだけではレクサスの盗難を完全に防げない理由

レクサスには、純正のセキュリティシステムG‑Securityが標準装備されていますが、セキュリティを巧みに突破する窃盗団の存在により、盗難被害は後を絶ちません。

その大きな要因の一つとして挙げられるのが、「純正セキュリティが全車種で共通化されており、一度仕組みを解明されてしまうと、同じ方法で他の車両にも通用してしまう」という点です。

現時点でその手口はすでに確立されており、多数の被害が報告されています。

純正セキュリティは、車両ごとに異なる個別設計ではなく、統一された仕様で量産車に搭載されているため、犯罪グループにとっては「標準化されたセキュリティ」として解析対象にされやすく、一度でも突破方法が確立されると、同様のモデルに横展開されてしまいます。

実際、窃盗団は常に最新の車両セキュリティ技術を研究しており、1台を攻略できれば、そのノウハウをグループ内で共有し、他のレクサス車に対しても同じ手口を使って短時間で盗難を実行することが可能になります。

盗難にかかる時間は、ほんの数分で車両が持ち去られてしまう例も少なくありません。

特にレクサスのように人気と資産価値が高い車種は、組織的な窃盗団に狙われやすく、ひとたび脆弱性が明らかになれば、手口が一気に広まり、被害が連鎖的に発生する傾向があります。

たとえば、キーエミュレーター(通称「ゲームボーイ」)のような装置を使われることで、スマートキーの信号が模倣され、オートアラームやイモビの効果は事実上無効となり、外部からは何の異常も確認できないまま車両が盗まれてしまいます。

また、アラート通知機能やGPS追跡やステアリングロックのような機能も、CAN通信を不正に書き換えられることで作動しなくなることがあり、オーナーが異変に気づくこと自体が困難になります。

レクサス側も、常に新たなセキュリティシステムを開発し続けており、対策は進化していますが、それに並行して窃盗団の手口も巧妙化しているため、「進化する技術」と「進化する犯罪」のいたちごっこが続いているのが現状です。

その結果として、純正セキュリティのみで車両を100%守るのは非常に難しい時代になっており、実際にディーラーからも「純正装備だけでは万全とは言えないので、追加の防犯対策を推奨します」といった案内が行われるケースも増えてきました。

レクサスの盗難防止策で効果が薄い方法

セキュリティ業界があまり触れたがらない、“実はあまり意味がない盗難対策”について、忖度なしで解説していきます。

というのも、窃盗団の手口は一般の想像をはるかに超えるスピードと強引さで進化しており、よくある防犯グッズでは太刀打ちできないのが現実です。

では、どんな対策が「やっているつもり」になってしまいがちなのか、具体的に見ていきましょう。

ハンドルロック

ハンドルに直接装着し、操作を物理的に妨げるこの装置は、一見すると効果的な防犯策のように見えます。しかし、実際の犯行現場では、窃盗犯がノコギリや電動カッターでハンドルそのものを大胆に切断し、ものの数十秒で突破してしまうケースも確認されています。

単体での使用では、時間稼ぎにもならないことが多く、過信は禁物です。

タイヤロック

タイヤに直接装着し、車両の移動を防ぐこのアイテムも人気がありますが、プロの窃盗団にとっては意味がありません。車を無理やり動かしながら破壊されたり、工具で一気に分解されたりと、すぐに無力化されてしまうこともあります。

ボディカバー

一見すると車を目立たなくし、抑止力になりそうなボディカバーですが、実は逆効果になることも。

外からの視線を遮ってしまうため、犯人にとっては「安心して作業できる空間」となり、防犯どころか犯行を助けてしまうケースもあるのです。

電波遮断キーケース

スマートキーの電波を遮断することで、リレーアタックを防ぐ目的で使用されるこのケースも、一部では有効ですが万全ではありません。

CANインベーダーやキーエミュレーター(ゲームボーイ)など、より高度な手口には通用せず、電波を遮断しても車両のハッキングを防げるわけではないのが現実です。

こうした対策を「やっているから大丈夫」と思い込むことが、むしろ最大の落とし穴かもしれません。

レクサスの盗難防止対策で最強の方法

高級車として人気のレクサスは、その分盗難のターゲットにもなりやすい存在です。では、レクサスを盗難から守るために有効な対策にはどのようなものがあるのでしょうか?大切な愛車を守るため、実用性の高い防犯対策を紹介します。

クリフォード or パンテーラの導入

レクサスのエンジンを始動させるには、「イグニッション回路」と「セルモーター回路」の両方を制御する必要があります。

そこで効果的なのが、クリフォードやパンテーラといった高性能セキュリティシステムです。これらは2系統を同時に遮断する「ダブルイモビライザー」を搭載しており、不正始動をしっかりと防いでくれます。

特にクリフォードは、万が一セキュリティ本体を取り外された場合でも、内部で始動系統がブロックされる設計となっており、バッテリーを外してもシステムが無力化されることはありません。

仮にクリフォードやパンテーラを装備したレクサスを盗もうとすれば、犯人はイモビライザーの場所を見つけ、完全に取り外し、さらに遮断された配線を手作業で元に戻さなければなりません。

そのうえで純正回路を復元するという、非常に手間のかかる作業をこなす必要があります。

しかも、これらの操作を警報音が鳴り響く中で行うため、窃盗団にとってはハイリスクな作業となり、現実的に成功は困難です。そのため、クリフォードやパンテーラが付いている車両は敬遠されやすく、他の狙いやすい車に標的を変えられることが多いのです。

一方で、片方の回路しか制御しない簡易型のセキュリティシステムでは、経験豊富な窃盗犯にとっては障害にならず、逆に「狙いやすい車両」として優先される可能性もあります。だからこそ、本気でレクサスを守るのであれば、2系統をしっかり無効化するダブルイモビライザーの導入が最も効果的と言えます。

目立たない場所に駐車する

もう一つの有効な対策は、「そもそも車を見せない」ということ。盗難犯は視界に入った車からターゲットを選ぶ傾向があるため、通り沿いや開けた駐車スペースに置いておくと狙われやすくなります。

逆に、建物の裏や屋内のガレージ、シャッター付きの駐車場などにレクサスを停めておくと、視認性が低くなりターゲットから外れる可能性が高くなります。

また、車を確認するために近づかなければならない場所であれば、窃盗犯にとってはリスクが高くなり、犯行を諦めるケースも多いのです。

この「見せない=狙われない」というシンプルな防犯理論は非常に効果的で、特にレクサスのような高額車両には欠かせない基本的な対策と言えるでしょう。普段の駐車環境を少し見直すだけでも、盗難リスクを大きく減らすことができます。

まとめ

レクサスは、その高級感と性能の高さから国内外で圧倒的な人気を誇り、中古市場での需要も高いため、窃盗団から格好の標的とされる車種のひとつです。

近年では、リレーアタックやECU書き換え、さらにはCANインベーダーなど、巧妙でハイテクな盗難手口が急増しており、メーカー純正のセキュリティだけでは車両を完全に守ることはできません。

ハンドルロックやタイヤロックといった物理的な防犯ツールも一定の効果はありますが、単体では簡単に突破されるため、ほとんど効果がありません。

もっとも有効とされる対策が、イグニッションとセルモーターの2系統を同時に遮断する「ダブルイモビライザー」を搭載した、クリフォードまたはパンテーラの導入です。

このイモビライザーを取り入れることで、不正なエンジン始動を無効化できるため、強力な盗難対策になります。

また、そもそも車両を窃盗犯の視界に入れない工夫も非常に重要です。路上や開放的なスペースよりも、視認性の低い場所やシャッター付きガレージに停めることで、狙われにくくなります。ターゲットとして認識されなければ、リスク自体を大きく下げることができます。

ぜひこの情報を参考に、効果的な防犯対策を検討してみてください。

当店ではレクサス専用のセキュリティ施工や、盗難対策の相談も行なっております。お気軽に奈良本店、あるいは東京支店へお問い合わせください。