事例① バッテリーあがりに悩まされており、セキュリティが原因ではないかと点検を希望されたケース

写真の説明
お客様が見ることが困難なカバーの裏側は、後先考えずに取り付けた配線が交錯し、一つ間違えばショートがおこり最悪の場合、車両火災につながります。一つの装置を新しいモデルに取り替えようとすると、対象システムの取り外しが困難であり、装置全体を更新するにも費用がかさむので、長年そのまま使い続けることになって、不安定な回路がさらに経年劣化するという負のサイクルに陥ります。

診断結果
セキュリティに問題はなく、後付けされた複数の電装機器の経年劣化から起こる接触不良が原因でした。
・安全装置のヒューズは設置されていますが、後付け装置の配線が同じ電源から確保され、かつヒューズよりも電源側で結線されているために、安全回路の意味を成していません。
・複数の後付装置が、あらかじめついている装置の配線から電源や情報線を共有する箇所があり、一つの装置に不具合が起こると、他の装置にも影響が及びやすい脆弱な回路になっています。配線共有の関連から1つの装置を取り外すと他の装置が作動しなくなります。
→取替えや経年劣化、あるいは万一の修理といったケースを想定しない安直な工事方法といえます。

セカンドオピニオンによる処置
家庭のコンセントで例えるなら、それ自体が古びたタコ足配線から、さらに枝割りを繰り返しているとお考えください。不具合に直結することが容易に想像できると思います。 推奨できない場所から電源ラインが確保されていたため、関連のある後付装置をすべて取り外しました。これら一つひとつの装置を点検すると、経年劣化のためか、動作が不安定な機器が判明し、故障と判断。当該機器を撤去したのち、その他の装置は、個別に電源線とヒューズを敷設し直しました。これらの総点検によって、2,3日お車に乗らないとバッテリーが上がるという長年の悩みが解決しました。また、個別に結線をし直したために、各装置が新しいものと取り替え可能になりました。

事例② ネットオークションで購入した格安セキュリティシステムを車に詳しい人に取り付けてもらったが、使用1ヶ月でドアの施錠・解錠ができなくなってしまったケース

写真の説明
配線がちぎれ、シーリングビニールを破いています。断線によるショートの恐れや線がパワーウインドレギュレーターに絡まるなどの危険につながります。

診断結果
ドアの内張りを外すと、断線して露出した配線が一目で確認できました。ハーネステープやコルゲートチューブを使用しておらず、取り回し自体も推奨できない位置を通っており、さらに固定が不十分なために、パワーウインドレギュレーター(ドアガラスを上げ下げする装置)と物理的な干渉を起こしていました。使用後すぐに症状が出なかったのは、走行中の振動によって、徐々に付近のパーツと接触するようになったと推測されます。また雨が多く、エアコンを多用していた時期であったために、ドアガラスを上下させる機会が少なかった使用頻度も関係しています。そしてあるタイミングで、ガラスを下げる時にドア内部で配線が引きちぎられてしまったのです。

セカンドオピニオンによる処置
配線の取り回しを変更して、適切な敷設方法へと手直ししました。また、防犯装置として最低限の機能すら発揮していない箇所が見受けられましたので、接続箇所を改めました。

事例③ カーセキュリティの調子が悪く誤報が多発。数年前からドアロックの動きも不安定なケース

写真の説明
中古車として買われた時から付いていたというセキュリティ。キーレス感覚で、ある程度の防犯性も期待して、モデル名や機能もわからずに使用しておられました。

診断結果
お客様がお感じの通りの不具合が認められ、総合的に考えて撤去が最善策と診断。

セカンドオピニオンによる処置
撤去作業中に、多くの問題点を抱えた取り付け方法が判り、手直しを加えながらオリジナルの配線を復元しました。

取り外しにより判明した問題点

エレクトロタップにより結線している
・振動等の影響で接触不良が起こりやすい
・接点が小さいために局地的な過電流が起こる

中を開けると焦げ付きが認められる
・経年劣化の影響により、不具合に直結

サイレンが結束バンドで固定されている
・容易に取り外して破壊される
・突貫工事、手抜き工事
・振動、ぐらつきにより寿命が短くなる
・高速走行時の異音、ビビリ音などの原因

さらには
・配線のカモフラージュは、本体付近だけでそれ以外の箇所は配線が露出したまま結線されていました。
・その車両において、ただ稼動するように機材を載せたという工事内容であり、防犯対策としては数々の問題点がありました。
・4枚のドアのうち、1箇所を不正に開けても、警報しないという初歩的なミスも認められました。

こちらのお客様は、当店のセカンドオピニオンを受け、ご相談の結果、新しいシステムの載せ替えをご依頼くださいました。

事例④ カーセキュリティの取付後、エンジン始動中、日常的に警告表示が出現したり、チェックランプが点いたりするようになったケース

写真の説明
重大なエラーメッセージが常時表示されています。直ちに修理・メンテナンスにかかるべきなのですが、この状態でしばらく乗っておられました。
※一部の車種では、セキュリティシステムの有無によらず、新車時から一時的に警告ランプ等の表示が出現する場合があります。

診断結果
常時、警告表示が出ていることが確認できました。明らかに工事ミスです。近年の車は、セルフ診断機能が備わっています。そして通常、コンピューターはありのままを報告しています。警告表示が出現したままでお車に乗り続けることはおやめください。インストーラーが熟練者でない場合、施工担当者ですら、警告表示の出現が一般的であると思い込んでいる場合もあるようです。ゆえに「どこで、どんなセキュリティをつけても、今と同じようになる」との説明を受けた方もおられます。

セカンドオピニオンによる処置
当店の予想通り、NG箇所での結線が複数個所見受けられましたので、手直しいたしました。また、エンジンの不正始動防止効果(イモビライザー)機能が働いておらず、警報のサイレンは鳴りますが、そのまま自走盗難が可能であることも判明しました。もちろんこちらも適切な工事に変更し、従来備わっている防犯機能が発揮できるよう改善を施しました。

事例⑤ その他よくある事例

・セキュリティ本体にパッケージングとして標準装備されているはずのセンサーがインストールされていない。
→費用を抑えるためにオプション扱いにして、あらかじめ作業内容に組み込んでいないケースも見受けられました。
→取り付け難易度が高いセンサーを抜いて工事にあたる場合もあるようです。

施工の工期が長すぎる
→「丁寧な施工」は表向きのうたい文句で、実際は技術力の無さを時間の量で補うケース。特注施工、インストール以外の作業を伴う場合でも、当店の最も長い工期は、目安として10日です。通常、一般的なインストール作業に必要な工期は、国産車の場合で目安として3営業日です。

・施工の工期が短すぎる
→「朝預かれば、夕方渡せます」は、よほど高度な技術があり驚異的なスピードで工事ができるか、突貫工事のどちらか。本当に防犯能力を備えた車に仕上げるには大手術が必要です。それが数時間で完了するかという疑問につながります。当店はクォリティー重視の施工を行います。インストール作業には、最低1泊2日の時間を要します。

セキュリティユニット(本体)を摘出して確認すると、買ったものとは違う名称のユニットだった。
→その店舗のオリジナル商品やキャンペーンとのうたい文句で、並行品をジャパン仕様として販売しているケース